ロングボード ノーズライディングのやり方「タイミングとコツ」

ロングボード ノーズライディングのタイミングとコツ

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ロングボードで最も美しいテクニック「ノーズライド」。クロスステップからボードの先端でハングファイブ、ハングテンをキメる。ロングボードを始める方にとって誰もが目標とするテクニックでしょう。ノーズライディングは波に対する深い知識と卓越したバランス感覚が必要です。参考になる動画、解説本をもとに紹介していきたいと思います。

ノーズライディングのテクニック・スタイル

まずはこちらの動画をご覧ください。

ノーズライディングの参考になる素敵な動画ですので、こちらの動画を参考に説明していきたいとおもいます。

ノーズライディングとはどんなものか何となくイメージはできると思いますが、見様見真似でやろうとしても簡単にできるものではありません。実際にどんなテクニック/スタイルがあるのか? それはどのような方法で、タイミングでやっているのか? コツは?等々、まずはしっかりと学びイメージすることが上達への近道です。

これを見たからと言ってすぐにできるようになるわけではありませんが、これから挑戦する方、いくらやってもノーズライディングができない、上達しないなど、これまで漠然とした考えでやってきた方にはヒントになるでしよう。

ノーズライディングとは?といった基礎的な内容にはなりますが意外と理解しているようでしていないこともあると思いますので、頭をクリアーにして最後まで読んで頂ければ幸いです。

「Joel Tudor Longboard Invitational: Duct Tape Noosa Highlights 2015 | Surf | VANS」
ジョエルチューダーヴァンダクトテープインビテーショナルハイライト2015。2015ヴァンジョエルチューダーダクトテープインビテーショナルはヌーサヘッズQLDオーストラリアで開催された動画です。

ノーズライディングのテクニック トリムスポットでトリミングで

出典(画像のみ):Vans

ノーズライディングとは、ボードの先端からボード全体の1/3より前のポジションにいるときのことをいいます。この部分はボードのボトムロッカーが最もフラットなので、ドライブターンなどでスピードを付けなくても、ただこのポジションに立つだけで、その波の最高のスピードを得られます。この位置でライディングすることをトリミングといい、この位置をトリミングスポットと言います。

ノーズライディングのテクニック ハングファイブ

そして、ここから少し前に出て(ボードのトリムスポットに後ろ足を残しつつ)片足をボードの先端にかければ「ハングファイブ」。ノーズにいながら加速することが可能。後ろ足に体重を乗せるようにしてバランスをキープし、前足で波に入るレールの調整をします。

ノーズライディングのテクニック ハングテン

両足をかけるのが「ハングテン」。バランスが取りにくく、究極のテクニックと言われるハングテンはノーズの先端に全体重がかかるため、ノーズが波に沈みやすく減速の原因ともなる。

ノーズライディングのテクニック チーターファイブ

ハングファイブよりもさらに後ろ足を後方に置き、体勢を低くかがめながら片足をノーズにかければ「チーターファイブ」。ノーズライディングの中でも最も加速できるテクニックです。

ノーズへ歩くタイミングをつかむ

ロングボードのボトムターン

ノーズライディングをするためにはノーズエリアに移動しなければなりません。ノーズへ移動するために重要なポイントはボードのレールを波のフェイスに入れるということです。これは波にレールがしっかり食い込みロックされている状態となりますので、ボードが安定し歩き出すことが可能となります。

波のフェイスにレールを入れるにはどうすればよいか

ロングボードのボトムターン 波にレールを入れる

ボトムターンからのアプローチがあります。後ろ足に体重をかけターンをすることで、レールが自然とフェイスに食い込んでくれます。ボトムターンが終わるころにはレールが食い込んだ状態でノーズは波のトップを向きますので、この時が足を前に踏み出すタイミングとなります。

レールがしっかりと食い込んでロックされている状態ではノーズへ移動してもテールが浮くことなくスピードが出て安定感よく歩き出すことができノーズライディングへと移ることが可能となります。

ノーズライディング-ノーズへの移動

歩き出すアプローチでもう一つ大切なのが、目の前の波にレールを食い込ませるだけのフェイスがあるかどうかを見極めることです。

フェイスがない状態で歩き出してもノーズは沈みうまくいきません。

目の前の波がしっかりフェイスができるまでボードのスピード落とすなどコントロールします。波にスピードがあるときは、ボトムターンから一気にクロスステップでノーズまで歩いたり、トリムスポットまで歩きボードにチャンスがきたらノーズに足をかけます。これらの波の状況に対応したアプローチはとても重要でマスターできればハングファイブの扉は開かれたも同然です。

波質毎に対応するコツ

ポイントブレイクやリーフブレイクは波の崩れていく状態が一定なのでその波に慣れればどこで歩き出せばよいか分かりやすいのですが、ビーチブレイクでは、一定ではないことが多いので波の見極めや波を読むことが、より要求されます。速いビーチブレイクのときは波にスピードに合わせ一気にノーズまで歩かなければなりません。なだらかな波が多いビーチブレイクではレールを入れるだけのフェイスがつきにくいので一番難しいです。実際に色々な波を経験し、失敗を繰り返しながら覚えるしかありませんが、波質に対応するコツもありますので紹介します。

ビーチブレイクなどでよくある、すぐに崩れてしまう速い波では進んでいく方向に向かって斜めにテイクオフすればノーズへの移動しやすくなります。

ポイントブレイクやリーフブレイクなどメローな波・遅い波では行く方向と逆方向にパドリングし立ち上がると同時に後ろ足に十分に荷重をかけることで、フェイスに勢いよくレールを食い込ませることができます。

クロスステップ-歩き方のコツ

ノーズライディングについて理解できたでしょうか?テクニック、タイミングやコツはなんとなく分かったけど…そもそもウォーキングのやり方が良く分からない、難しい、うまくできないなどの悩みも少なくないと思います。結局ウォーキングができないことにはノーズライディングできません。ここからはボードを歩くために必要なクロスステップというテクニックについて学んでいきましょう。まずはクロスステップの参考になる動画を見つけましたのでご覧ください。Joel Tudorの素晴らしいライディングシーンです!是非ご視聴してみてください。

ウォーキングとは

ボードにパワーとスピードを得るためにノーズやトリムスポットに向かってボードの上を移動すること。

クロスステップとは

ロングボード クロスステップ/ノーズライディングの流れ

出典(画像のみ):Vans

ボードのストリンガーを軸にして足を斜めに置き、交互に入れ替えて歩いていくテクニックです。

ボトムターンからのクロスステップ

  • ボトムターンでレールを波に入れる
  • ボトムターンが終わるころにはレールが食い込んだ状態でノーズは波のトップを向きます
  • 歩き出すために前足に加重し、歩き始めます
  • 1歩目はストリンガーに対して斜めに、後ろの手を上げると足を前に出しやすくなります。
  • 2歩目も同様にストリンガーに沿って足を斜めに置いていきます。ステップは太ももに体重を乗せて上半身は力を抜いてリラックスさせる。体はできるだけ進行方向に向けるようにします。
  • 3歩目へ / バランスを崩しそうになったら後ろの手を広げるようにすると、後ろへの転倒が防げ、足がスムーズに出やすくなります。
  • 3歩目も同様にストリンガーに沿って足を斜めに置いていきます。
  • 最後の1歩はノーズに足をかける(ハングファイブ)。後ろ足はトリムスポットに残し、体重を乗せている状態にすることでボードのスピードを維持。

ボードを歩けるのは波のフェイスにレールがしっかり入っている時だけです。ウォーキング中は目の前にフェイスが出来ていることを確認し、レールをフェイスに食い込ませたままの状態をキープするように歩いていきます。また、テール側に戻る場合は上記流れの逆で同様にクロスステップで歩いて戻ります。前に歩くよりも戻る方が難しく、慣れないとうまく足が動いてくれませんので陸で何度も練習し体に覚えこませると良いでしょう。

ポイント1「バランスの取り方」

上半身は体に力を入れずリラックスする。後ろの手を上げることで、前に進むためのバランスが取りやすくなります。紹介している動画をご覧頂いてもウォーキング中に後ろの手を上げてバランスをとっていることがわかると思います。

ポイント2「歩くときは重心をつま先に」

クロスステップで足を運ぶ際、ボードに足を下すときは、基本的につま先に重心を掛けます。

ポイント3「足を置く位置」

ノーズライディング フロントサイドとバックサイドのクロスステップの歩き方

ボードのセンターにあるストリンガーに沿って歩くことが基本ではありますが…、波のフェイスに食い込ませたレールを外さないために、厳密には波に対しフロントサイドで進む場合と、バックサイドで進む場合とで、足を置く位置は変わってきます。レールを外さない為には、波側に重心が来るように歩く必要あります。

2)の説明のようにボードに足を下すときは、基本的につま先に重心を掛けるわけなので、フロントサイドの場合は足全体でみるとストリンガーの真上に乗っていますが重心を掛ける つま先はストリンガーより波側がとなります。バックサイドの場合もストリンガーよりも波側に つま先を下すので足全体でみるとストリンガから外れたところとなります。

※フロントサイドとは波に正面を向いているスタンス。
※バックサイドとは波に背を向けているスタンス。

ポイント4「ハングファイブ時の後ろ足の位置」

ノーズライディング ハングファイブの時の後ろ足の位置

ノーズに到達し最後の足をボードの先端にかける(ハングファイブ)ときもポイントとなるのは後ろ足です。後ろ足はストリンガーより波側に置き、体重のほとんどを後ろ足にかけます。後ろ足に重心を置きつつノーズにかけた前足と後ろ足のつま先と踵(かかと)で前後左右のバランスを取ってハングファイブをキープします。

ポイント5「ノーズまでの理想の歩数」

フィンの上あたりからノーズまでクロスステップで歩くと、歩数はちょうど4歩くらい。

4歩目でノーズに足を掛けるのが理想です。

ボードの長さを測り、陸でクロスステップの練習を何度も行うことをお勧めします。ノーズまで歩き、テールまで戻る練習を繰り返してみましょう。

陸でもなれないうちは意外とスムーズに歩けないものです。陸でできなことは海の上ではできません。身体が自然に動くくらい覚えこませるとで海の上でも身体が動いてくれるようになります。あとは実際に色々な波の上で失敗を繰り返しながら体で覚えるしかありません。

おススメ動画

JPSAロングボード4Xグランドチャンピオンの吉川広夏(ぴろたん)さんがノーズライディングをするためのウォーキングのコツを教えてくれる動画です。丁寧で分かりやすいので参考になるかと思います。